開業を控えている、もしく自院の増患を目指し、集患対策を検討している医師もいるのではないでしょうか。効果的に集患するには、自院に合った対策が必要です。
この記事では、集患対策を強化したい医師に受けて、上手な集患のポイントや効果的なプロモーションを紹介します。自院の状況にマッチした効果的な集患対策を実践して、増患に役立ててください。
集患の決め手となるポイントとは？
集患のポイントとして、まず多くの人に自院のことを認知されることが大切です。そのため、認知に効果的なプロモーションが欠かせません。加えて、来院してもらった患者に丁寧な対応をするなど満足度を高め、リピート通院してもらうことも重要です。さらに、口コミで良い評判を広めてもらうことも集患のポイントとなります。
集患できない理由とは？
集患がうまくいかない理由はなんでしょうか。ここでは、集患できない理由を内部要因と外部要因に分けて解説します。
内部要因
内部要因とは、自院内で起きている問題のことです。接遇に対するスタッフの意識の低さや医療技術が旧いことなどが挙げられます。このような内部要因はしっかりと自院で起きている問題に目を向けることで解決できます。
たとえば、スタッフの接遇品質がよくないのであれば、接遇研修を定期的に行うなどです。医療技術が追いついていない場合は、積極的に学会に参加して、最新の医療情報を入手するなどしましょう。
外部要因
外部要因とは、自院の外で起きている問題のことです。例えば周辺に競合が増えたり、周辺の道路事情の変化などが挙げられます。内部要因とは違い、問題を把握できても直接自分たちで解決することは難しいでしょう。そのため、外部要因に対応するには、外部でどんな変化が起きてもうまく対応していけるよう考える必要があります。
たとえば、周辺に競合が増えたことが原因なら、他院にはない強みを患者にわかりやすく伝えることが大切になります。
集患に効果的なプロモーションとは？
集患のためにはプロモーションが必要になります。クリニックを開業しただけでは、患者はなかなか集まりません。患者を集めるには自院の強みをしっかり把握して、宣伝することも必要です。
プロモーションの目的は、主に開業告知および新患獲得、リピートを含む集患や継続的なPR、診察科目によるアイテム販売などが挙げられます。プロモーションにはさまざまな方法がありますが、目的に応じて効果的な手段を選ぶことが大切です。
医療広告の注意点
医療広告については、「医療広告ガイドライン」を遵守した内容の広告でなければいけません。具体的には、誇大広告や比較優良広告、虚偽広告などは規制されています。
たとえば、「患者さまにとって絶対に安全な手術です」「県内で一番に選ばれている」といった内容を広告に記載するのは避けなければなりません。適切な広告を作成するためにも、「医療広告ガイドライン」を事前に確認しておきましょう。
※参考：医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針（医療広告ガイドライン）
具体的なプロモーション策
ここでは、それぞれのプロモーション策の具体的な方法について詳しく解説します。
チラシやポスティング
多くの人に自院を知ってもらうには、チラシの配布も効果的といえます。チラシであれば、地域の家庭に直接配布できるので、認知されやすいことがメリットです。しかし、チラシは一度配布するだけでは反応がないこともあります。そのため、定期的に配布して、来院までつなげるようにしましょう。
SNS
インターネットやスマートフォンが普及したことによって、SNSを利用する人が増えています。そのなかで、積極的に情報を発信することで、多くの人に自院を知ってもらえる可能性が高まります。
SNSでプロモーションを行うのであれば、常に情報が流れては消える「フロー型」のメディアであるため、旬な情報を発信することがポイントです。たとえば、自院でのイベントや休診日などの情報を発信していくとよいでしょう。
ホームページ
ホームページによるプロモーションは、患者に自院のことを知ってもらうことはもちろん、ブランディングにもつながります。たとえば、ホームページがどんなデザインかによって、患者に与える自院の印象は異なります。
ホームページでプロモーションを行う場合、ターゲット層が広いことから、誰が見てもわかりやすいような文章やデザインを検討しましょう。制作を依頼する際は、SEO対策やスマートフォン用のサイト構築ができる業者を選ぶこともポイントです。
オンライン広告
オンライン広告とは、Webサイトや検索結果などに表示されるインターネット上の広告のことです。検索結果に表示される「リスティング広告」、FacebookやTwitterに表示する「SNS広告」などがあります。
オンライン広告は、自院のことをまだ知らない「潜在層」にアプローチするのに最適です。たとえば、「新宿 内科」などのキーワードで検索する患者にアプローチできます。
開業を控えている場合の効果的な集患対策とは？
開業計画中と開業後、それぞれに合った効果的な集患対策について解説します。
開業計画中
まず、開業計画中での効果的な集患対策を解説します。開業前しかできない対策なので、事前に把握しておきましょう。
立地選定
立地選定はクリニックの集患を左右します。立地選定においては、まず競合の有無を確認する必要があります。競合が多いエリアで開業すると、患者が競合に流れていってしまう可能性があるからです。
また、自院へのアクセスのしやすさも見ておきましょう。たとえば、駅から近いのか、ある程度広い駐車場を確保できるのかなどを確認します。そのほかにも、開業するエリアの将来性なども事前にチェックしておくことが大切です。
ネーミング
開業するクリニックにどんな名前をつけるのかということも集患対策の一つです。ほかのクリニックと同じような名前をつけてしまうと印象に残りづらくなるため、慎重に検討しましょう。
たとえば、「自分の名字」と「クリニック」という単語の組み合わせは、パターンとしてありがちです。珍しい名字でない限り印象に残りません。例えば、名字をひらがなにするなどの工夫が必要になります。
内装
集患対策として内装にもこだわる必要があります。患者にストレスを感じさせないためです。患者は何らかの体の不調を抱えて来院しており、不安な気持ちで診察の順番待ちをしています。照明が暗くてリラックスできない、空間に圧迫感を感じるような内装だと患者によりストレスを与えてしまうことになります。
そのため、子供から高齢者まで誰もがリラックスできる空間を設計する必要があります。内装を考える際は、明るさ、デザイン、使い勝手など細かいところまで吟味するようにしましょう。
内覧会
内覧会は今後の集患を左右する重要な場です。普段お世話になっている先生や関係者各位、地域の人々などを含め多くの人を招待し、クリニックのPRをしっかり行うことが目的になります。進行がスムーズに行かなかったり、来院者に対しての対応が悪かったりして内覧会が失敗してしまうと、悪い印象を与えてしまい、今後の集患にも影響します。
そのため、内覧会を行う際は、来院者一人ひとりの声に耳を傾けるようにし、招待者の満足や安心を得られるよう気を配りましょう。
開業後
クリニックは開業後の3カ月間で評価が決まります。「新しいクリニックだから行ってみよう」という好奇心で来院する人も多いからです。つまり、「この先生に診てもらいたい」という信頼感ではなく、単なる目新しさで来院してくる可能性が高いといえます。
一方で、他院に通っている患者にとって病院を変えるというのはハードルが高いことです。そのため、開業直後は患者のほとんどが新患であることを理解して対応しましょう。継続的に通院してくれる患者を増やすためには、2～3カ月程度は集患期間を設けて継続的にプロモーションを行うことも大切です。
増患に効果的な集患対策とは？
患者を今までに以上に増やすためには、どのような対策をすればよいのかを解説します。
待ち時間対策
増患のためには、待ち時間対策が重要になります。自院の来院患者数が多い場合は、それだけ待ち時間も増えることになります。待ち時間が長いのは、患者にとって大きなストレスです。少しでも待ち時間を削減するために予約システムの導入を検討するなど、改善策を検討しましょう。
競合への対策
クリニックを経営するなかでは、競合への対策も欠かせません。ライバルとなるクリニックの情報収集を行い、その情報をもとに自院の課題点を洗い出し、積極的に改善していくようにしましょう。
たとえば、スタッフの接遇品質の向上、院内のメンテナンスをするといったことが挙げられます。また、競合との差別化を図れる医療機器の設置を検討することも大切です。
患者の満足度を向上させる
患者の満足度を向上させることは、口コミの発生やリピーターの獲得につながります。患者の満足度を向上させるために、スタッフ教育の充実、内装や外装の改善などを積極的に行いましょう。その際、クリニック側の視点ではなく、患者側の視点に立って、どのような改善が必要なのかを考えることがポイントです。
診察スタイル
患者を増やすためには、患者のニーズに応じた診察スタイルを導入する必要があります。たとえば、最近では「在宅医療」のニーズが高まっています。そのため、患者の家に行って診察する往診の強化や時間外診察の実施を積極的に検討するとよいでしょう。
ただし、新しい診察スタイルを導入する場合は、スムーズに運用ができるように院内で体制を整えておくことも重要です。
まとめ
自院のことを多くの人に知ってもらい、来院までつなげるには、積極的にSNSや広告で発信するなどのプロモーション活動が重要になります。さらには、スタッフへの教育や院内設備を充実させるなどして、患者の満足度を高めて集患につなげましょう。
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