獣医が開業で失敗する原因は?開業前の準備・集患のポイントも解説

動物病院を開業したものの、思うように集患できずに失敗してしまうケースもあります。うまく集患できない原因は何でしょうか。集患で失敗しないためには、事前にポイントを押さえておくことが大切です。

この記事では、動物病院の開業で失敗する主な原因について解説していきます。あわせて、開業に必要な準備や流れ、うまく集患するためのポイントについても紹介します。ぜひ、参考にしてください。

目次

獣医が開業で失敗する主な原因とは?

獣医が開業で失敗する主な原因には、どのようなことがあるのでしょうか。具体的な原因について、4つ紹介します。

集患のための広告宣伝が不十分

広告宣伝を十分に行わなかったことが、失敗の原因になるケースです。地元で開業するからといった理由で広告宣伝に十分な費用をかけなかった結果、開業後に患者が集まらないことがあるからです。

開業前にきちんと集患対策を考え、WebサイトやSNS、新聞の折り込みチラシやポスティングなど、さまざまな方法で宣伝広告を打つことが大切です。

人目につきにくい・アクセスが悪い立地

アクセスが悪いことは、集患が思うようにいかない原因のひとつになります。経費を安く済ませようと、立地条件が良くない場所を選んでしまうと、人目につきにくかったりアクセスが悪かったりなどして、患者が集まりにくくなってしまいます。

駅近や大通り沿い、駐車場が近くにあるなど、集患しやすい立地を考えることが重要です。

外観が古い・雰囲気が暗い

資金が少ない場合、安くて古い物件を選びがちです。しかし、外観が古かったり雰囲気が暗かったりすると、入りにくいと感じてしまいます。初めて来院する人にとって、見た目は重要な判断基準です。資産状況にもよりますが、動物病院も第一印象が大切なので、できるだけ入りたいと思わせるような建物を選びましょう。

高度医療機器の導入で経費がかさむ

開業当初から高度医療機器を導入してしまうことも危険です。高度医療機器は多額の資金を費やさなければいけないので、経営を圧迫してしまう可能性があります。

また、開業したばかりの動物病院に、高度医療機器を使用するような専門分野での患者がどのくらい来るかは、予測が難しいでしょう。そのため、開業当初から資金をつぎ込みすぎると、失敗してしまう可能性が高くなります。

獣医が開業するための準備と流れ

獣医が開業するための準備と流れを、詳しく解説します。

開業エリア・物件の選定

まずは、開業エリアと物件の選定を行いましょう。どこで開業するか、どのような物件を選ぶかは、集患がうまくいくかどうかを決定づける重要な点です。慎重に選定し、集患が成功するかを見極めましょう。

また、開業エリアなどは融資の際の審査基準にもなります。選定をする際は、マーケティング調査に長けている専門業者へ依頼することをおすすめします。

診療圏調査/事業計画書・平面図の作成

次に、専門業者に診療圏調査の依頼をしましょう。診療圏調査とは、一般の企業でいえば市場調査にあたるものです。

事業計画書の作成も行います。事業計画書とは、事業内容を詳細に詰めて、それに必要な資金計画を立案したものです。5年程度の事業シミュレーションを行い、それに必要な資金、集めた資金の使い道、使用した資金の回収方法などを決めます。

さらに、建築士などの専門家と一緒に、動物病院の平面図の作成も必要です。

資金の調達

事業計画書などをもとにして、資金調達を行います。資金調達の方法としては、自己資金や知人からの借入、金融機関からの融資といった方法があります。税理士に任せるだけでなく、自分でもお金の流れをしっかりと把握・管理しておきましょう。

動物病院の建築・内装の実施

戸建ての場合は動物病院の建築、テナントの場合は内装の実施を行います。設計事務所と施工業者を選定して、設計・建築や内装工事をします。

このとき、設計事務所の選定は慎重に行いましょう。動物病院の設計実績が多くあるかなどを基準にして決めると安心です。動物病院の経営には設計や内装も重要なポイントになるので、妥協せずに良い設計事務所を選びましょう。

医療設備や医療機器の選定・購入

設計が終わったら、医療設備や医療機器の選定・購入をします。医療設備や機器は、日々の診療に必要です。そのため、自分の経験だけでなく、同業者や専門家の意見も参考にしながら選定するとよいでしょう。

予算作成も重要です。設備などに使える予算を決定して、新品・中古・リースといった方法を検討します。メーカー選びをする際は、費用対効果やメンテナンス性なども確認しておくと安心です。

開業に必要な各種届出

動物病院を開業するためには、いくつかの届出を提出する必要があります。家畜保健衛生所へ「診療施設開設届」を開業から10日以内に提出しましょう。そのほかにも、税務署や県税事務所、労働基準監督署、ハローワークなどに必要書類を提出します。

集患のための広告宣伝の計画・準備

具体的にどのような集患対策を取るか、計画を立てて準備をしましょう。どの地域からどのくらい集患したいか、どの手法で集患するかなどを決めます。チラシやダイレクトメールなどを送る場合はデザイナーの選定、Webサイトを作るのなら制作業者の選定も行いましょう。

スタッフ募集

動物看護師・経理・受付などの人員がどのくらい必要かを明確にし、スタッフ募集の方法を検討・実施します。あわせて、スタッフ教育の内容も決めておくと安心です。動物病院は、動物だけでなく人とも密接に関わる業種なので、スタッフの質が重要になります。

看板・チラシ・ホームページなどのデザイン・作成

開業までに、チラシやWebサイトなどの作成を行います。看板やチラシなら、動物病院のロゴや記載する内容、Webサイトならコンテンツの内容やデザイン、メールアドレスやドメインの取得などが必要です。SNSでの広告を考えている場合は、アカウントを取得します。

動物病院開業で失敗しないための集患のポイントは?

失敗しない集患のポイントについて、詳しく解説します。

診療圏調査を行い最適な場所を選ぶ

診療圏調査では、診療圏・ペット動態・競合施設・聞き取り調査の4つを行います。自院の市場範囲やペットの飼育件数、近くに動物病院があるかどうか、顧客のニーズなどを調査し、総合的にみて来院が見込めるかどうかを判断します。

診療圏調査を行うと、来院数の予測や売り上げ予測などが立てやすくなります。また、診療圏調査をもとに広告の手段や量を決定することで、費用対効果の高い広告が可能になります。

ターゲットを定めて効果的な広告宣伝を行う

ターゲットを明確にすることも大切です。ターゲットを見誤ると広告宣伝の効果が出ず、集患が上手くいきません。どのような広告宣伝が効果的なのか、しっかりと検討しましょう。また、口コミも集患には重要です。飼い主の話をじっくり聞く、誠実な対応をするといったことを心がけて、良い口コミが広がるようにしましょう。

無料健康相談会を実施する

無料健康相談会も効果的です。これは、無料でペットの健康に関する相談を受ける会です。相談内容にあわせて、おすすめの検査内容などを伝えることで、次回の来院につながります。この際、あまり強くすすめすぎると勧誘されていると不快に思う人も多いので、やんわりと伝えましょう。

明るく快適な内装や工夫をする

明るくて清潔感のある内装や、快適に診察を受けられる環境は、継続的な集患に重要です。定期的なポスターの貼り替えや院内の温度調節などを意識しましょう。

また、院内のレイアウトも重要なポイントです。移動のしやすさはスムーズな診察を実現し、待合室をゆったりと設けることは快適な環境づくりにつながります。ほかにも、スタッフの丁寧な対応や、スムーズな受付・会計がポイントになります。

常に院内を清潔に保つ

待合室に毛が落ちていたり、臭いなどに問題があったりすると、来院した人は不快に感じてしまいます。そのため、常に院内を清潔に保つことが大切です。居心地の悪さや不信感を持たれないように、定期的な掃除を意識しましょう。

飼い主の視点に立つ

診察を行う際には、飼い主の視点に立ちましょう。飼い主はペットのことを考えて、さまざまな情報を調べているケースが多いです。そのため、治療方針などについて意見することもあるでしょう。その際、飼い主の知識をむやみに否定せず、自分の意見を押し付けないことが大切です。飼い主の育て方を尊重しながら、適切な治療を施していきましょう。

まとめ

動物病院の開業で失敗しないためには、開業の流れを把握し、しっかりと集患対策を行うことが重要です。開業後の集患に不安がある場合は、専門家へ相談しましょう。

STスマイルでは、税理士・弁護士・医療経営士と連携し、開業のトータルサポートを行っています。また、開業後のサポートも充実しており、市場分析、短期から長期にかけての経営戦略、Web広告運用やWeb担当者の提供なども可能です。動物病院の開業する際は、ぜひ一度ご相談ください。

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