病院の待ち時間対策システム|待ち時間管理の重要性やシステムの種類を紹介

自院の待ち時間システムの改善、あるいは開業に向けて効果的な待ち時間システムを導入しようと検討している医師もいるでしょう。

今回は、病院の待ち時間を改善するために効果的なシステムについて紹介します。システムを使った具体的な対策とともに実例にも触れるので、待ち時間対策のシステム導入にぜひ役立ててください。

目次

病院での「待ち時間」管理システム導入の重要性

待ち時間の管理システムは、効率的な病院運営に重要です。システム導入の重要性について、詳しく紹介します。

病院での待ち時間に対する患者の不満

予約した場合と予約してない場合の総数の待ち時間平均は、15分以上30分以内となっており、病院での待ち時間に不満をもつ患者は多いです。ただし、どれくらい待てばいいかわかる場合は、不満の割合が5分の1程度まで低下することがわかっています。

長時間にわたる待ち時間によるデメリット

病院の待ち時間は、病院に対する患者の不満の上位項目です。長時間にわたる待ち時間によるデメリットを説明します。

患者数の減少

待ち時間に対する不満は、患者数の減少に直結します。患者が受診した際に待ち時間が長いと感じれば、再び同じ病院を訪れる可能性は低くなるでしょう。患者数の減少は、病院の収入減にも影響します。たとえば、病院を受診する患者数が1日1人減少するだけで、年間の収入は約170万円も少なくなります。

コスト増加

待ち時間が長いと、コスト増加にもつながります。待ち時間が長くなれば、診療終了時刻も後ろ倒しになる可能性が高いです。その場合、スタッフの残業も増えるので、追加で人件費がかかります。たとえば、5人のスタッフが1日1時間残業すると、年間で約200万円も発生します。

医師・スタッフのストレス

待ち時間の長さは患者だけでなく、医師やスタッフにとってもストレスの原因となります。待ち時間に不満をもった患者は、医師やスタッフにクレームを伝えることも多いです。待ち時間が長いと、クレーム対処という仕事も増えてしまいます。

質の低下(医療・サービス)

待ち時間が長いと、医療やサービスの質も低下しやすくなります。たとえば、待ち時間を減らさなければならないというプレッシャーがかかると、患者一人に対してじっくり向き合うことが難しくなります。待ち時間を無くすことは重要ですが、単に意識を変えるだけでは対応しきれない部分も多いです。

システム導入前の対策|病院の待ち時間改善法

病院の待ち時間について、システム導前にできる対策があるので、いくつか紹介します。

声がけ

病院の待ち時間に対する不満を減らすためには、患者に対する声掛けが重要です。たとえば、おおよその待ち時間や順番を伝えるだけでも、待ち時間に対するクレームは減ります。スタッフが積極的に患者に声をかけていると、安心できる雰囲気も生まれやすいです。

体感待ち時間を減らす工夫

実際の待ち時間が長くても、体感としての待ち時間を減らすことは可能です。たとえば、待合室に本や雑誌を用意してくつろげる空間を作っておけば、患者はゆったりと自分の時間を楽しみながら順番を待つことができます。最近では、無線LANスポットを設置している病院もあります。

スタッフ数の調整

待ち時間を減らすには、スタッフ数の調整も必要です。たとえば、特に混み合う時間帯はスタッフを増員し、対応できる人員を増やします。スタッフのシフトを作るときは、患者数の傾向を考慮し、それに合わせてスタッフの数を増減させることが大切です。

患者数の平準化

待ち時間の問題を解消するためには、時間帯で異なる患者数の平準化も重要です。なるべく患者が同じ時間に集中しないように、分散させましょう。たとえば、自院のホームページに混雑しやすい時間帯を掲載すれば、患者は混雑しにくい日時を選んで来院するようになります。

診察時間枠の変更

診察時間枠を変更することも、待ち時間を少なくする一つの方法です。たとえば、患者のライフスタイルを考慮して診察時間を設定するといいでしょう。また、可能であれば、診察時間枠を増やすことも効果的です。

病院の待ち時間管理システムの種類

病院の待ち時間を管理するシステムには、複数の種類があります。それぞれ詳しく説明します。

再来受付システム

再来受付システムとは、再来した患者が自分で受付を済ませられるシステムのことです。一般的に、病院を訪れる患者の7~8割は再来患者です。そのため、再来受付を自動化すれば、受付業務がスムーズになります。機械を操作するだけなので、患者のプライバシー保護にもつながります。

料金後払いシステム

外来患者の数が多いと、診察後の会計にも長い時間がかかります。しかし、後払いのシステムを導入することで、会計の待ち時間をゼロにできます。事前に登録したクレジットカードで決済できるようにすれば、未払いのリスクも発生しません。

診察予約システム

診察予約システムは、自動的に診察の予約を受け付けるシステムです。単に予約を受け付けるだけでなく、時間帯ごとに患者数を調整できます。そのため、診察予約システムを導入するだけで、患者数の平準化が実現できます。

クラウド型順番確認システム

クラウド型順番確認システムは、診察を予約した患者がホームページ上から自分の順番や混雑状況をチェックできるシステムです。患者は院内で待たなくていいので、家で待機したり外出したりできます。

待ち時間表示システム

待ち時間表示システムは、院内に診察までの時間または順番を表示するシステムです。なかには、時間と順番の両方を表示できるタイプもあります。待合室に待ち時間が表示されていれば、いつまで待てばいいかわかるので、患者も安心して自分が呼ばれることを待てます。

待ち時間管理システム導入によるメリット

待ち時間管理システムを導入すれば、患者と病院の双方にさまざまなメリットがあります。それぞれ具体的に紹介します。

患者のメリット

待ち時間への不満解消

待ち時間管理システムの導入は、患者が待ち時間に対して抱く不満を解消します。待ち時間表示などで実際の待ち時間はほとんど変わらなくても、患者はストレスを感じにくくなるからです。これは、どのシステムにも共通するメリットでしょう。

利便性

待ち時間管理システムは、患者に便利だと感じてもらえます。たとえば、クラウド型順番確認システムなら、待ち時間を使って自由に外出し、他の用事を済ませられます。さらに、料金後払いシステムがあれば、会計や領収証の発行もスムーズになります。

院内感染防止やプライバシー保護

病院の滞在時間が短くなれば、院内感染の防止にもつながります。特に、インフルエンザのように、毎年流行しやすい病気の感染を防ぐために効果的です。また、システムによっては院内で名前を呼ぶ必要がなくなるので、患者のプライバシー保護に役立ちます。

病院のメリット

コスト削減

待ち時間管理システムの導入は、病院のコスト削減につながります。たとえば、スタッフの残業が減り、残業代をはじめとする人件費を減らせます。また、病院側が駐車場代などを負担している場合は、そのコストも減らせるでしょう。

医師やスタッフの負担軽減

待ち時間管理システムは患者数を適切に管理できるので、診察のペースを調整しやすくなります。また、受付や入金管理ができるシステムを導入すれば、それらに対応するスタッフの負担も軽減されます。医師やスタッフの負担が減ることは、ストレス軽減につながります。

患者数の記録と分析

待ち時間管理システムを利用すると、患者数の記録はもちろん、そのデータを活用した分析も可能になります。たとえば、患者数の傾向の把握は、スタッフの配置人数の調整に活かせます。その結果、スタッフの負担を減らしたり、無駄な人件費をなくしたりできます。また、データを分析すれば、待ち時間をさらに減らすための検証が可能になります。

病院での待ち時間システム導入に必要な条件

病院の待ち時間システムの導入にあたって満たすべき条件があるので、確認しておきましょう。

専用機器・クラウドサービス

待ち時間システムを利用するためには、基本的に専用機器の導入が必要になります。たとえば、自動受付機や診察の順番を表示させるテレビモニターなどです。ただし、クラウドサービスを選ぶ場合はインターネット上での利用となるため、専用機器の導入は必要ありません。スタッフのトレーニング

システムの導入には、スタッフのトレーニングも必要不可欠です。システムを使いこなしたり、うまく連携したりできるようにしなければなりません。システム導入後は、これまでの業務とシステムの管理の両方を行う必要があります。

また、システム利用によって混雑しにくい日時が明らかになった場合、スタッフが積極的にその日時を患者へ案内することも大切です。

まとめ

病院の待ち時間による問題を解消するためには、待ち時間管理システムをはじめとした、さまざまなシステムの導入が効果的です。導入したうえで、しっかりとシステムを使いこなせるようになりましょう。

コンサルティング業務を担うSTスマイルでは、病院の開業前から開業後まで徹底的なサポートを行っています。自院分析はもちろん、市場分析も得意としています。短期的な戦略だけでなく、長期的な目線から総合的にサポートすることが可能です。今後の病院経営をより戦略的に進めていきたい場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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